転位密度測定の概要
X線回折法(XRD)は,結晶材料を評価する方法のひとつです。X線回折のプロファイルは転位などの格子欠陥の影響を受けるため、これを利用して転位密度の測定が可能です。1),2),3) しかしながら、弊社では、鉄鋼材料に特化した九大研究室考案の計算手法(DF/mWH法)を採用することで転位密度を再現よく評価することが可能です。 4)
測定原理概要
XRDは回折ピーク位置が原子間距離を表しているため、転位(原子位置のずれ)により原子間距離にばらつきが生じると、XRD測定にて得られるピーク幅が広くなります。上記より、XRD測定から得られるピーク幅を理論計算することで転位密度を求めることが出来ます。

測定事例
SUS316Lに種々の公称歪みを加え、転位密度を測定した結果、公称歪みとの相関が確認できました。

参考文献
1) Williamson, G. K. and Hall, W. H., Acta metall., 1, 22–31 (1953)
2) Warren, B. E., Progr. Metal Phys., 8, 147–202 (1959)
3) Ungár, T. and Borbély, A., Appl. Phys. Lett., 69, 3173–3175 (1996)
4) Takaki, S.,Masumura, T. and Tsuchiyama, T.,ISIJ Inter., 59, 567–572 |