あいち臨空新エネルギーパークに新型太陽光発電実証プラントを建設
集光式太陽光発電実証プラント

大大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)は、「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」(愛知県常滑市)に集光式太陽光発電実証プラント(公称出力30kW)を2008年12月までに建設します。

当社は、ひまわりのように常に太陽を追いかけレンズで太陽光を高性能な発電セルに集めて発電する、集光式太陽光発電システムを開発しました。メガソーラー(メガワット級の太陽光発電所)に適用可能な技術の確立を目指しています。これまで、システム単体での発電実証試験を国内外で実施し、発電性能の信頼性を確認してきました。本事業において、多数の発電システムを連結した場合の発電性能、実際の消費地への長期にわたる電力供給の可能性を実証します。 なお、集光式太陽光発電プラントとしては国内最大の出力になります。

本事業はNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「太陽光発電新技術等フィールドテスト事業」の補助を受け、2009年度から4年間の長期実証試験を行うものです。愛知県がプラント用地として、あいち臨空新エネルギー実証研究エリアの一部を提供します。

1.集光式太陽光発電とは

集光式太陽光発電は、レンズや凹面鏡などで太陽光を発電セルに集めて発電する方式です。光を集めることにより高価な発電セルを節約するとともに発電セルの種類によっては発電効率が向上します。太陽光を効率よく発電セルに集めるためには、発電パネルを正確に太陽の方向に向ける必要があります。直射日光が当たっている時に一般的なソーラーパネルよりも発電量の大きいことが特長です。

2.実証プラントの概要

公称出力 30kW(5kWシステム × 6基連結)
年間発電量 推定 27,000kWh(一般家庭7軒分の年間消費電力量に相当)
電力供給先 常滑浄化センター(愛知県常滑市)
建設場所 あいち臨空新エネルギー実証研究エリア(あいち臨空新エネルギーパークの一部)
総工費 約1億円(一部につきNEDOが半額助成)
建設期間 2008年8月~12月

3.発電システムの特長

「発電能力が高い」

宇宙で使用される高性能な発電セルと高倍集光レンズおよび特殊な光学部品、季節や緯度に関わらず日の出から日没まで発電パネルを常に正確に太陽に向ける機械装置(追尾架台)などにより、一般的なソーラーパネルに比べ受光面積あたり約1.6倍の発電量(愛知県豊橋市での年間kWh測定値)が得られます。

「設置工事が容易」

発電パネルが軽いこと、高度な設置技術を必要としないことにより、設置工事の負担を軽減します。

「低価格(将来)」

使用する発電セルの少なさ、熱を逃すための特別な部品が不要、大量生産に適したプラスチックレンズの採用、一般的な機械精度部品を採用した追尾機構により、大量生産時のコストを低く抑えられます。

「地表活用が可能」

発電パネルの下・周囲が完全な日かげにならないため、植栽、菜園、畜産などへの地表活用が可能な、緑と共存できる太陽光発電システム。

以 上

参考資料