文字のサイズ

特殊鋼研究

当社の鋼材事業部門の競争力強化と次世代新製品創出を目的に、構造用鋼、耐食・耐熱材料、金型材料において合金設計技術を駆使した技術開発を行っています。

構造用鋼

e-Axle用高強度歯車用鋼(浸炭処理鋼)

e-Axle用高強度歯車用鋼(浸炭処理鋼)

従来よりも高い疲労強度が要求されるe-Axle用減速機歯車向けに、鋼材と工法を組み合わせた開発を行っています。
真空浸炭用鋼(DEGシリーズ)は、当社真空浸炭炉モジュールサーモショットピーニング(SP)技術と組み合わせることで従来材対比約2倍の疲労強度を実現します。加えて、当社は歯車の様々なニーズに対応可能な歯車用鋼を取り揃えています。

e-Axle用減速機歯車模擬評価技術

e-Axle用減速機歯車模擬評価技術

e-Axleに用いられる減速機歯車は、従来対比厳しい摺動環境になると想定されます。
当社は最新のローラーピッチング試験機を導入し、あらゆる摺動環境を想定した評価可能な体制を整えており、歯車の高機能化に貢献します。

高靭性歯車用鋼

高靭性歯車用鋼

高い衝撃強度を有し,かつ冷間鍛造性に優れた高靭性歯車用鋼(DSGB鋼)で、歯車の小型軽量化とカーボンニュートラルに貢献します。

冷鍛前軟化熱処理省略鋼

冷鍛前軟化熱処理省略鋼

冷間鍛造性(冷鍛)に優れ,かつ冷鍛前軟化熱処理を省略することが可能な歯車用鋼(ALFA鋼/S-ALFA鋼)や高周波焼入れ用鋼(HAC鋼)でカーボンニュートラルに貢献します。

高温浸炭用鋼

高温浸炭用鋼

浸炭時間の短縮に寄与する高温浸炭においても、結晶粒粗大化の抑制が可能な歯車用鋼(ATOM鋼)や製造性と高温浸炭での異常粒成長抑制能が高い歯車用鋼で,省エネルギー化・カーボンニュートラルに貢献します。

工具鋼

ホットスタンピング用鋼

ホットスタンピング用鋼

サーボプレス,加熱炉,ロボットを配置したホットスタンピング設備を導入し、ハット曲げ加工における材料特性や金型温度等が金型損傷に及ぼす影響を評価・研究しています。
高硬度・高熱伝導率のDHA-HS1を開発しました。型内トリムへの対応も推進しています。

熱間工具鋼(ダイカスト)

熱間工具鋼(ダイカスト)

小型ダイカストマシンやヒートチェック試験機/溶損試験を活用し、材料特性が金型損傷へ及ぼす影響を評価・研究しています。
大きな金型に適した高焼入れ性鋼(DHA-WORLD, DH31-EX)や高熱伝導率鋼(DHA-Thermo),溶接棒(DHW)や窒化等の表面処理技術を開発しました。ギガキャストや新しいアルミ合金への対応も推進しています。

冷間工具鋼

冷間工具鋼

成分設計や製造工程による組織制御と材料特性に及ぼす影響を評価・研究しています。
高硬度・高靭性冷間ダイス鋼(DCMX)を開発しました。また、ハイテン鋼板を順送金型で加工する寿命耐久評価技術を活用し、新しいPVDコーティングを開発しました。1.2GPaから1.5GPaの超ハイテン鋼板を用いた金型材料の評価も推進しています。

3Dプリンタ用金属粉末(金型用鋼)

3Dプリンタ用金属粉末(金型用鋼)

大型の3D造形金型に必要と考えられる「割れなく造形できる造形性」と「熱伝導率」に着目し、新しい粉末の開発を推進しています。
社内に造形機を導入し、造形性の評価やヒートチェック試験機等を用いた造形金型としての性能評価をしています。SLM・LMDなど各種金属3Dプリンタに適した積層造形用粉末(HTC40&HTC45, LTX, LTX420)を開発しました。

ステンレス鋼

耐水素材料(DSN® 9-H2)

耐水素材料(DSN® 9-H2)

水素ガス環境中では鋼材が脆くなる「水素脆化」という現象が起こるため、使用される鋼材は低強度なものに限られます。そこで、水素社会の到来に向け、耐水素脆性と高強度を両立したステンレス鋼DSN® 9-H2を開発しました。
DSN® 9-H2は、FCV部品や水素ステーション部品等の小型化・軽量化に貢献します。

超合金

DSA760

DSA760

マルテンサイト系ステンレス鋼と同等レベルの硬度を有し、かつ非磁性・高耐食であるDSA760を開発しました。非磁性・高耐食という特徴から、シャフトやボルト、軸受け部品への適用が可能です。
また、耐酸化性や耐高温腐食性も優れることから、耐熱部品としても広く適用が可能であり、船舶用エンジン排気弁棒素材として使用されています。DSA760は耐食部品の高寿命化、耐熱部品の高温化に貢献します。