
『モノづくり改革』と『人づくり革新』という2つの柱を据え展開するDMK活動の進め方として、重要なポイントとなるのが以下の4項目である。
- 社長直轄のDMKプロジェクトを置き、専任体制で推進する。
- 人材・物資・費用など必要な資源を必要に応じて迅速かつ集中的に投入する。
- 全社横断的に活動を進め、その良い事例を水平展開してゆく。
- DMK社長巡視、社長表彰等を実施し、成果の見える活動を行う。
こうした新しい方針のもと、既に第一ステップとして活動を展開し、着々と成果が出始めているのが『モデル職場の生産性向上』である。大同における各工場の製品戦略上重要な設備を7つ上げ、モデル職場として徹底的な生産性向上を図るというものである。
「現場には、まだまだ改善の余地があるし、その改善を可能にする才能も眠っています。
重要なことはその設備のあるべき姿をしっかりと見据え、現実との差を認識することです。
そして、隠れたモノづくり力を発掘することが非常に重要な活動の鍵だと思っています。」
西村の言う現場に眠るモノづくり力を発掘するために、例えば実施しているのが、現場オペレーターたちが、各自で実践し、或は確実に成果があると感じている『改善策』の提案である。寄せられた情報は、現場の生産活動にしっかりとフィードバックされ目覚しい効果をあげているという。また、改善策の提案に意欲的な優れた現場オペレーターの発掘にもつながっている。
他方では、設備技術センターからのスペシャリスト派遣によって製造工程や生産効率の見直しが図られ、客観的な改善も実施されている。優秀な現場スタッフによる草の根的活動と、スペシャリスト達による製造工程の厳密な見直し。こうした活動が、生産性向上を示す数字となって現れ、改革の成果を告げ始めている。
現場に眠る可能性は、このプロジェクトにより確実にその姿をあらわし始めているようだ。 |