循環型社会形成に向かって―
大同特殊鋼の環境マネジメント WITH YOU Vol.55 平成18年冬号掲載

 
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環境エネルギー部長 内藤善博    

持続可能な発展を続ける―。それは、いま人類が切に願う社会の姿である。
しかし、この目指すべき社会の未来像を人々が認識するに至ってから、まだそれほど長い時間は経っていない。
一方で、大同特殊鋼では、創業以来、鉄のリサイクルを基盤とした特殊鋼製造・販売を事業の柱とし、
時代に先駆けて循環型社会形成の一翼を担ってきた。
そうした歴史を持つ大同は、これだけ地球環境への関心が高まる現在、何を想い、何を見つめて進んでいくのか…。
サステナブルな社会へ貢献する事業の柱そのものと、世界に誇る画期的な環境技術・製品を携えて進む
大同のこれから向かう地球環境貢献への道を探る。

工場からはじまる意識改革

 「すべては、意識の問題だと思っているんですよ。」
  大同特殊鋼の環境への取り組みについて、内藤は静かにそう語った。
“企業として、地域に、そして地球のためにできることは何か?”この命題に日夜取り組み、効率的な事業活動と環境共生の両立を果たす最善の道を模索する環境エネルギー部。この部署に内藤が配属されたのは3年前のことであった。
  それまで、工場の製造部門でいかに質の高い製品を効率よく生み出すかに全力を注いでいた内藤にとっては、まったく畑違いな部門に身をおくことになったといえる。しかし、ひとたび“環境”というフィルターを通して工場を見渡し、そして会社全体を見直し、あらためて広く社会を見つめてみれば、地球環境の未来に大いなる危機感を抱かずにはいられなくなっていた。
  「今、これだけ“持続可能な社会を”ということが世の中で叫ばれていますが、つまり、それだけ“持続”
の難しい社会になっているということが言える。持続できないということは、社会が衰退に向かうことを意味するわけですから、どれだけ危機感を持ってそのことを受け止めることができるかが非常に重要になってくると思います。」
  自身の意識の変化とこれまでの工場での業務経験を活かしながら、今、内藤はひとつのプロジェクトの遂行に尽力している。
『レスプロジェクト(Reduce Energy and Slag project)』である。各地の工場における製造プロセスでの省エネルギー化と副産物スラグの削減を徹底的に実施しようというプロジェクトであり、しかも1990年度の数値を基準にCO2排出量マイナス10%という非常に高い目標を掲げている。すでに、プロジェクトは着々と進行しており、各工場の代表が一堂に集まって、製造工程の見直しや設備導入の成果等の情報を交換し、全社的に策を練るという会議を幾度にもわたって重ねながら、目標達成に向けて突き進んでいる。つまり、当然のことながら現場の結束力がプロジェクト成功の鍵を握っているわけである。
  しかしながら、生産量が飛躍的に伸び、フル稼働で製造を続ける各工場にとって、CO2排出量マイナス10%という数字は、かなり高いハードルといわざるを得ない。そうした現状の中でも、このプロジェクトが徐々に浸透し、成果を見せ始めているのは、製造現場において果たすべき数々の使命の中でも、省エネルギーを中心とした環境負荷低減の“優先順位”を最優先に掲げることに成功し、環境意識の改革が工場内から始まっていることの証だといえるだろう。

世界に誇れる大同の環境技術

 大同特殊鋼では08年環境中期計画の基本方針として、1.事業活動の全段階における環境負荷低減と環境保全 2.エコ製品・環境エンジニアリングおよびサービスによる社会貢献 3.エココミュニケーションの推進 という3つの柱を掲げている。
  1については前述のレスプロジェクトなどが挙げられるが、ここでは2の方針に沿ったエコ製品・環境エンジニアリングについてみてみよう。
  大同では、鉄スクラップを原料に、特殊鋼を中心とした各種製品を製造するという鉄のリサイクルを事業の柱としている。この事業背景そのものが環境貢献につながるうえに、そこから生まれる製品が、高い品質・性能ゆえに環境負荷低減に貢献する。そしてさらには、この特殊鋼を生み出すプロセス技術を活用することで、世界に誇れる環境技術・設備も生み出されているのである。
  アーク式灰溶融システム(DAP)やDSRプロセス等といった、溶融技術を活かした設備などは、その一例で、特殊鋼の製造プロセスで得た高度な技術を遺憾なく発揮した大同ならではのユニークな環境設備である。このように、持てる力のすべてを注いで生み出される大同の環境製品・技術は、あらゆる分野において社会の環境負荷低減に貢献しているのである。

 
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