動植物の変化

エゾシカ
キタキツネ

2006年から
2024年の期間で、
動植物の種数が
大幅に増加

(調査協力:住友林業緑化株式会社、株式会社地域環境計画)

(1) 1991 年から段階的に
森づくりを実行

  • 目的:一部がササ地化した湖畔林に生物多様性を取り戻す。

    森づくり開始前

  • 1991~2005年:地域在来の針葉樹を列状に植林し、環境林化の礎を築く。
  • 2006~:広葉樹の発芽・育成を促進し、針広混交林化を促進する。
  • 目標:多様な動植物の息づく生物多様性豊かな森へ

2006年と2024年に大規模生態系調査を実施

(2) 2006 年から 2024 年の 
18 年間で  47 種が増加

社有林では、地かき更新に取り組み始める直前の 2006 年と、地かき更新最終年の 2024 年に大規模な生態系調査を実施しています。両年の調査では右記の通りの動植物が確認されました。樹林化が進んだことにより植物種は減少しましたが、哺乳類、鳥類、両生類・爬虫類、昆虫類では増加が見られ、全体では47種の増加となりました。この結果から、地かき更新の取り組みにより、森の生物多様性に貢献したと考えられます。

地かき更新・・・社有林内にはびこるササを根こそぎ駆除し、土壌を露出させる再生手法。露出した土壌に飛来する種子や土中に埋没していた種子の自然発芽が期待できる。当社では補助的にミズナラなどの広葉樹の苗木植栽も実施。

2006年調査結果 2024年調査結果 増減
哺乳類 キツネ 7 15 8種増加
鳥類 オシロワシ 47 80 33種増加
両生類・
爬虫類 トカゲ
2 3 1種増加
昆虫類 クワガタ 312 333 21種増加
植物種 花 248 232 16種減少※
全体 616 663 47種増加

※ササ草原からアカエゾマツを主体とした針葉樹林、その後、ミズナラ等の広葉樹林に遷移し、草原性の植物種が減ったことが考えられます。

(3)森づくりがもたらしたもの

さらに、当社が森づくりを開始する前の動植物の状況を想定したところ、現在と比較して動物の種数が大幅に少なかったであろうことがわかりました。この結果から、1991年から2024年にかけて当社が取り組んできた森づくりの活動は、このエリアの生物多様性に良い影響を与えたと考えられます。

走るウサギ
1本の木
木をつつくクマゲラ
【森づくり開始前・想定】
~1990年
【2006年調査結果】
1991~2005年の活動成果
【2024年調査結果】
2006~2023年の活動成果
土地に木が生えていないイラスト。ササに遮られれ他の植物が成長できない…動物も住みにくい…(対象地:チシマザサがはびこり、他種の侵入を妨げているササ地エリア)
土地に木が生長し、整列しているイラスト
生長した木々の間を作業員が整備しているイラスト。1:ササを根こそぎ除去、2:地面を搔き起こす、3:埋土種子や飛来種子の発芽を促す、4:補助として随所に広葉樹の苗木を植樹。
哺乳類 キツネ 4 7 15
鳥類 オシロワシ 23 47 80
両生類・
爬虫類 トカゲ
1 2 3
昆虫類 クワガタ 不詳 312 333
植物種 花 不詳 248 232
全体 616 663

※2005年までは生態系調査を実施していないため、2006年、2024年の調査時に確認された種のうち、以下の条件に当てはまる種を“森づくり開始前”時点の種数として抽出した。
①哺乳類・両生類・爬虫類:1990年の種数は、2006年、2024年に確認された種のうち、樹林を好む種を除外した。
②鳥類:2006年と2024年の両方で確認され、かつササ地+湖面+湿性草地に出現する種を抽出した。
③昆虫類・植物相:生息・生育環境による種の選定が難しいため、森づくり開始前の抽出はしていない。

監修:東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科 栗田 和弥 助教