
これまでのモニタリングでは、
929種の動植物が確認されています。
このページでは、絶滅が危惧される種や、
北海道だけに生息するなどの
特長的な種をご紹介します。
また、外来種などの
今後対策が必要な種についても
掲載していますのでご覧ください。
エゾクロテン
白い顔にクリクリの目がかわいらしい、北海道のクロテン。夏は「クロテン」らしく、一般的に顔や首の周り以外はこげ茶色や黒っぽい色ですが、冬になると体の大部分がクリーム色になり、手足や尾だけが黒いのが特徴です。かつては毛皮を目的に乱獲され、個体数が激減。現在では狩猟が禁止されており、準絶滅危惧に指定されています。社有林では森の奥の湿原付近で自動撮影カメラに映った姿が確認されています。また、冬の調査では雪上にたくさんの足跡が見つかっています。
茂みの中に潜むエゾクロテン。パッと見ただけでは植物しか映っておらず、見落としそうな一枚です。
左の自動撮影カメラ画像のエゾクロテン部分を拡大しました。愛らしい横顔や、エゾクロテンの特長である黒い尾が確認できます。
冬の社有林ではたくさん見つけられます。両足で跳ねるように移動するため、左右の足跡が横に並ぶのが特徴。
エゾヒグマ
一般的には茶色~黒っぽいイメージのエゾヒグマ。オスの方が体が大きく、2mを超す成獣もいて、日本では最も大きい陸上の野生動物です。長きに渡り駆除対象としてその数を減らしてきましたが、近年は保護対象になったことで再び増えています。社有林では林道などで自動撮影カメラに映った姿が確認されており、糞や足跡も確認されています。森の生態系の頂点に位置する主です。
昼間の林道を堂々と歩くエゾヒグマ。滅多に出会いませんが、この森にも生息していることが確認できます。
夜の森を歩くエゾヒグマ。まだ小柄なので、子供でしょうか。
光る両目でカメラを見つめています。フラッシュに驚いたのでしょうか。
クマゲラ
真っ黒い全身に頭の赤毛が際立つユニークな外見のクマゲラ。日本にいるキツツキの仲間では最も大きく、日本では北海道と東北の一部にのみ生息していますが、近年は生息地となる森林の伐採などにより数を減らしており、国の天然記念物や環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類(VU)にも指定されています。社有林では採餌痕が見つかっており、生息または利用していると思われます。
クマゲラの採餌痕は大きく、その大きさからも日本で最も大きいキツツキの仲間であるクマゲラの大きさが窺えます。
オジロワシ
嘴と後肢が黄色く、褐色の体に、名前の通りの白い尾が特徴的な大型のワシです。日本には冬に越冬目的で飛来しますが、クッチャロ湖周辺には留鳥として通年見ることができます。開発等による生息・繁殖環境悪化の影響が大きく、環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)にも指定されており、近い将来における絶滅の危険性が高まっています。社有林では、つがいで営巣する姿や巣の跡が確認されています。
木の枝などを集めて作られた巣に佇むつがいの姿です。
左の自動撮影カメラ画像のオジロワシ部分を拡大しました。黄色く鋭い嘴が確認できます。
オオワシ
嘴と後肢が黄色く、褐色~黒っぽい体に、羽の前方(上部)と尾が白い大型のワシです。日本には冬に越冬目的で飛来し、クッチャロ湖周辺では秋に遡上、産卵し力尽きる鮭を目当てに、冬の終わりごろに大群で飛来します。オジロワシ同様、環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)にも指定された種です。社有林では、空を優雅に飛翔する姿が確認されています。
翼を広げると2mを超すほどの大きさになります。上空を優雅に飛翔しています。
エゾサンショウウオ
日本の北海道にしか生息していない固有種ですが、生息環境の悪化や捕食者となる外来種の影響により、生息数が減ってきています。成体は全身が茶褐色のものから黒っぽいもの、金色のまだら模様のあるものまでおり、尻尾は長めで、生々しい質感の体つきになりますが、幼生の頃は、ウーパールーパーに似たかわいらしい見た目です。社有林では、水たまりや湿地帯で卵や幼生、生体が確認されています。
春先に湿地帯や林道にできた水たまりなどで見つけることができます。
ウーパールーパーに似たかわいらしい見た目になりますが、生息環境次第では共食いをしたり、カエルのオタマジャクシを食べたりするという一面を持っています。
エゾアカガエル
体色は褐色をベースに幅広く、やや短めの四肢が特徴のカエルです。学名は「Rana pirica」といい、「pirica」はアイヌ語で「美しい」を意味します。日本の固有種ではありませんが、日本では北海道でしか見ることができないカエルで、いくつかの離島においては生息数の減少が危惧されています。社有林では、春から夏にかけて、道端の側溝や湿地帯で卵やオタマジャクシ、成体が確認されています。
卵塊(らんかい)と呼ばれる卵の状態から孵った状態で、オタマジャクシのことです。一般に、カエルの幼生のことをオタマジャクシと呼びます。
モニタリング中に見つけた成体です。指先に吸盤がなく、他のアカガエルの仲間に比べると四肢が短いのが特徴です。
ゴマシジミ北海道・東北亜種
翅の表面の薄めの青色が美しく、翅の裏面には複数の黒い点状の胡麻模様があるチョウです。地域による変異が大きく、日本にいる4つの亜種のすべてにおいて、個体数の減少が危惧されています。ゴマシジミ北海道・東北亜種は、環境省レッドリストの準絶滅危惧 (NT)に指定されています。社有林では、モニタリング調査時に林道脇の花で吸蜜する姿が確認されています。
林道沿いに咲いた花で吸蜜するゴマシジミ。一頭のみ確認されています。
オオバタチツボスミレ
湿った草地に生え、5~7月に花をつける多年草です。名前の通り、葉は大きく、花弁は全体的に淡紫~紫色で、そこに多数の濃紫色の筋が入っているのが特徴です。日本では中部地方以北に分布し、生息環境の悪化から複数の県で数を減らし、環境省レッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されています。社有林では、湖沿いや川沿い、湿地帯など複数個所の水際で確認されています。
名前の通り、葉は大きく、葉縁には波状の鋸歯があるという特徴が確認できます。
湿原はもちろん、林の中でも見つけることができます。美しい濃紫色の花がよく目立ちます。
タマミクリ
湿地や浅めの水場に生え、7~8月に花をつける多年草です。クッチャロ湖の湿原を象徴する植物で、球状の花が密集して付くかどうかで他のミクリ属と見分けられます。日本では中部地方以北に分布し、生息環境の悪化から複数の県で数を減らし、環境省レッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されています。社有林では、森に隣接する川沿いで複数株が確認されています。
水底に根を張る植物で、小さな花がたくさん集まって一つの花のように見える頭状花序(とうじょうかじょ)が、隣接して並ぶという特徴が確認できます。
頭状花序が密集しているというタマミクリの特長がわかる拡大図。
アライグマ
侵略的外来種
外国から持ち込まれ増加が問題視されている特定外来生物。かわいらしい顔つきの一方、気性が荒いという危険な一面を持っています。愛玩用などとして持ち込まれたものが野生化し、個体数が増加。農作物への食害に加え、餌となる小さな在来種の脅威となっています。社有林では、自動撮影カメラでその姿が確認されており、対応を検討しています。
湿地帯で確認された親子で移動する様子です。小型の在来種の生き物にとって脅威となるアライグマが繁殖していることが分かります。
人の子供のようなかわいらしい手形。これはアライグマの前脚の足跡です。このような痕跡からも存在が確認できます。
エゾシカ
個体数増加
様々な要因から個体数が増加し、生態系のバランスを崩すことが懸念されているエゾシカ。褐色の体に白いお尻が特徴で、オスには角があります。飛び跳ねるように走り去るときの白いお尻がチャームポイントです。社有林では、自動撮影カメラだけでなく、目視でその姿を頻繁に確認することができます。植樹したミズナラなどの葉の食害が懸念されており、対応を検討しています。
森の入口付近の林道を歩くエゾシカです。立派な角をもつオスです。
群れで移動する様子です。森の広範囲でその姿を確認でき、足跡などの痕跡も多く見つかっています。
子連れの親子です。白い斑点の鹿の子模様が目立つ、かわいい子鹿の姿が確認できます。
セイヨウオオマルハナバチ
侵略的外来種
農作物などへの受粉を助ける目的で持ち込まれた外来種。在来種のハチや植物への悪影響が危惧されています。黒と黄色のフサフサした毛が縞模様に並ぶ、ずんぐりむっくりした大きめのハチで、お尻の先が白いのが在来種のマルハナバチとの見分け方です。社有林では、林道や湿地帯で確認されており、クッチャロ湖エコワーカーズと連携して駆除を行っています。
花の蜜に夢中なセイヨウオオマルハナバチ。在来種のマルハナバチと見分けるポイントになる白いお尻が確認できます。