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「1件も受注残がない!?」
組織改正を終えたばかりの環境設備第二部に緊張が走った。環境設備第二部は環境設備第一部の灰溶融設備(DAP)以外の環境設備を扱うということで設立されたのであるが、平成8年当時、新任部長の南がどう資料を見渡しても、水処理関連設備の受注残(受注済みの製作進行物件)が見当たらない。南はそのことに驚きを隠せずにいた。
そもそも大同の環境設備事業は、自身の工場の廃棄物処理・再資源化技術に端を発している。大同では廃棄物を限りなく無害化する技術をすでに数十年前に確立しており、それらの技術を社会に還元するという見地もあって、環境設備事業に力を注いできた。
排水処理をはじめとする水処理関連設備もこの一環であり、すでに多方面で実績を重ね、大きな成果を上げてきた。ところが、平成8年頃はそうした水処理設備の需要が一段落した、ちょうど谷間の時期だったのだ。
こうした事態は健全な事業継続という見地でも、環境関連技術の社会還元という見地でも好ましいはずはない。南の大号令のもと、新たな分野での環境設備の開発に取り組むプロジェクトがスタートすることになる。体制としては、少人数ではあったが、足元を固める設計グループと将来製品を生み出す開発グループを結成した。更に、開発テーマとして、まず下水関連・自動車トンネル用高性能集塵機など各種分野に新製品探索を開始した。
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