文字のサイズ

トランジション・ボンド

大同特殊鋼株式会社(社長:清水 哲也)は、2022年8月に発表したトランジション・ボンド(以下「本社債」)の発行に関しまして、発行条件を以下のとおり決定しました。

当社は2021年4月にCO2削減への取り組みとして2030年に2013年度対比CO2排出量50%削減、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す”Daido Carbon Neutral Challenge”を策定しました。
本社債発行によって調達した資金を活用し、”Daido Carbon Neutral Challenge”、製品およびソリューションの提供を通じCO2削減への取り組みをさらに推進してまいります。

本社債の概要

1.社債の名称 大同特殊鋼株式会社 第15回無担保社債(トランジション・ボンド)
2.発行年限 5年
3.発行額 100億円
4.利率 0.425%
5.発行日 2022年9月1日
6. 資金使途

製造プロセスの脱炭素化(燃料の脱炭素化、電力の脱炭素化)

  • 製鋼設備の高効率化
  • 鋳造・圧延設備の高効率化
  • 脱炭素技術の導入
  • CO2フリー電源への切り換え
  • 再生可能エネルギーの導入

製品供給による脱炭素化

  • EV・ハイブリッド車向けモーター用磁石の研究開発
  • 電動化・自動運転に関する研究開発
  • リチウムイオン電池用負極材の研究開発
  • 耐水素脆化用鋼の研究開発
7. フレームワーク
8.第三者評価機関 株式会社格付投資情報センター(R&I)評価結果

資金充当状況レポーティング(2023年3月末時点)

調達資金の資金充当状況

項目 金額
調達額 10,000百万円
資金充当額 10,000百万円
未充当金額 0百万円

資金充当額に占めるリファイナンスの割合:58%

資金充当額の内訳

<製造プロセスの脱炭素化>

項目 金額
  • 製鋼設備の高効率化
  • 鋳造・圧延設備の高効率化
  • 脱炭素技術の導入(研究開発費用)
  • CO2フリー電源切換・再生可能エネルギー導入
3,364百万円

<製品供給による脱炭素化>

項目 金額
  • EV・ハイブリッド車向けモーター用磁石の研究開発
  • 電動化・自動運転に関する研究開発
  • リチウムイオン電池用負極材の研究開発
  • 耐水素脆化用鋼の研究開発
6,636百万円

インパクトレポーティング(2023年3月末時点)

製造プロセスの脱炭素化(燃料の脱炭素化、電力の脱炭素化)

(1)製鋼設備の高効率化

項目 効果
想定CO2削減量 1,059t-CO2/年

(2)鋳造・圧延設備の高効率化

項目 効果
想定CO2削減量 6,310t-CO2/年

(3)脱炭素技術の導入

プロジェクト名:

ラジアントチューブ式水素燃焼バーナの開発

進捗状況・成果:

  • 工業炉の脱炭素化に向け、水素を燃料とするラジアントチューブバーナを独自に開発し、水素混焼および専焼テストに成功しました。
  • 本バーナは、当社主力製品であるSTC炉などの熱処理炉への適用を目指して開発しております。今後、製品化に向けて実機相当レベルでの実証評価を推進していきます。

(4)CO2フリー電源への切り換え・再生可能エネルギーの導入

項目 効果
CO2フリー電源購入量および再生可能エネルギー発電量 2.5億kWh/年
想定CO2削減量 96,966t-CO2/年

製品供給による脱炭素化

プロジェクト名:

EV・ハイブリッド車向けモーター用磁石の研究開発

進捗状況・成果:

  • 磁石産業界で必要とされる基盤研究をアカデミアとともに継続するため、磁石MOPが新たに発足され、そこに参画しました。磁石材料の世界最高水準の微細構造解析技術やデータ駆動型研究を、材料設計とプロセス最適化に応用し、用途に応じた必要特性を持つ材料の開発を迅速に行うツールの開発を目指しています。
  • 大型放射光施設SPring-8で開発された硬X線磁気トモグラフィー(磁気CT)法を用いて、先端永久磁石材料内部の磁区構造の外部磁場に対する振舞いを3次元的に可視化することに成功しました。今回の成功により、これまで不可能だった真の保磁力メカニズムの解明、ならびに更なる高性能永久磁石の開発につながることが期待されます。

プロジェクト名:

電動化・自動運転に関する研究開発

進捗状況・成果:

  • 自動車の電動化に伴い発生するEMCノイズ(主に磁気ノイズ)の抑制効果を有したパーマロイ3箔 STARPAS®に、約100kHz以下の低周波において優れた特性を誇るSTARPAS-50PC2Sを新たにラインナップに追加し、2023年1月から販売を開始しました。
  • トヨタ自動車株式会社、株式会社豊田中央研究所、株式会社デンソー、株式会社ファインシンターとハイブリッド自動車のバッテリー電圧を上げる部品(リアクトル)に使用される金属磁性粉末を共同で開発し、最新のハイブリッドシステムに採用されました。

以 上