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2005年11月10日

大同特殊鋼株式会社

世界最高の耐食性を有する高硬度ステンレス鋼を開発
― 独自の加圧誘導溶解鋳造法で実現 ―

ネオジム系ラジアルリング磁石

大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)は、ステンレス鋼としては最も高いレベルの60HRCという硬さで、世界最高の耐食性を有する高硬度ステンレス鋼を開発した。

NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の基盤技術開発促進事業の助成を受けて開発した独自の加圧誘導溶解鋳造法により、硬さ・耐食性の向上に有効な元素である「窒素」をステンレス鋼に多量に添加する技術を確立し、従来の高硬度ステンレス鋼と同等の硬さを有したまま、耐海水用鋼のSUS316に近い世界最高の耐食性を有する鋼種の開発に成功した。
今秋から自動車部品、半導体製造装置部品向けにサンプル供給を開始し、耐食性が求められる軸受、圧力・流量制御バルブなどの高硬度部品への適用を進め、2007年度には売上5億円を目指す。

なお、11月15日~18日にかけて東京ビッグサイトで開催される「NEDO成果展示会2005」に、窒素を多量に含有したニッケルフリー非磁性鋼とともに今回の開発鋼を出展する。

1.背景

耐食性と耐磨耗性が必要とされる部品には、炭素含有量が多く、焼入れ-焼戻し処理を行って硬さを確保したSUS440Cなどの高硬度ステンレス鋼が広く用いられている。一般的にステンレス鋼は良好な耐食性を得るためにクロムを添加する。しかし、クロムは焼入れ-焼戻し処理後の硬さを低下させることから、添加可能な量に限界がある。そのため、従来の高硬度ステンレス鋼は塩化物や海水などが含まれる環境下では腐食の発生が懸念され、使用が困難であった。

一方、窒素はクロムなどとともに耐食性を向上させる元素として知られ、ステンレス鋼でも窒素を添加した鋼種が多く開発されている。しかし、気体である窒素は、従来の製造方法では添加可能な量に限界があるため、高硬度ステンレス鋼中には0.1%程度までしか添加できなかった。

2.特長

(1)窒素を0.6%含有
従来の高硬度ステンレス鋼に比べ、耐食性が大幅に向上
塩水噴霧試験において錆びの発生は認められず、耐海水用鋼として最も広く使用されているSUS316に近い耐食性を確保。(添付写真)
(2)加圧誘導溶解鋳造法
最高圧力20気圧(常用16気圧)、溶解量500kg
耐圧容器内で加圧された窒素を強制的に溶鋼中に添加し、かつ溶鋼を凝固する際にも窒素の放出を抑える。

3.用途

耐食性が求められる高硬度部品

・自動車・化学プラント、海洋構造物、IT産業などで使用される各種軸受

・ 圧力・流量制御バルブ、刃物、金型

4.売上目標

2007年度 5億円

5.その他

・特許:約20件申請中(設備含む)

・本開発鋼を、「NEDO成果展示会2005」(東京ビッグサイト)に出展
 ならびに同展示会場にて11月15日15時30分からプレゼンテーションを予定

以 上

参考資料

1.開発鋼の特性/2.加圧誘導溶解炉/3.NEDO基盤技術開発促進事業 受託研究内容(PDF:36KB)

【用語解説】

HRC
ロックウェルCスケール。材料の硬さを表す指数のひとつ。先端が頂角120°、半径0.2㎜の円すい型ダイヤモンド圧子を押し込み、その侵入深さを数値化した もの。
SUS440C
Fe(鉄)、C(炭素)1%、Cr(クロム)17%を主成分とし、58HRC以上の 硬さが得られる代表的なステンレス鋼。耐食性軸受や刃物、ゲージ類、ポンプ部品 などに使用されている。
焼入れ焼き戻し
処理
焼入れとは、材料を加熱、保持した後、水や油中などに入れ、急冷することで硬さを 上げる熱処理。
焼戻しとは、焼入れした材料の硬さの調整や歪みの除去などのため、再度適当な温度 で行う熱処理。 焼入れ-焼戻し処理により、鋼の硬さや強靭性などの調整を行う。

お問い合わせ

技術開発研究所 特殊鋼研究部 清 水

TEL052-611-9419 / FAX 052-611-7399

名鋼材事業部 技術サービス部 松 田

TEL06-6229-6540 / FAX 06-6202-8662

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