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大同特殊鋼グループ 2023中期経営計画について

大同特殊鋼株式会社(社長:石黒 武)はこのたび、2023年度(2024年3月期)までの3年間を実行期間とする中期経営計画を策定いたしましたのでお知らせします。

2030年のありたい姿
高機能特殊鋼を極め、「グリーン社会の実現」に貢献する

1.2023中期経営計画

中長期では温暖化抑制などにより経営環境は大きく変化するものの、今後3年間においては内燃機関向け製品の数量減少などの環境変化は限定的と認識しております。2023中期経営計画では、2020中期経営計画の行動方針を深化させつつ、2030年のありたい姿を具現化するため、将来の環境変化に備えた事業活動を推進します。

(1) 成長分野のビジネス拡大(将来を見据えた種まき)

今後の成長市場である、CASE(自動車)、半導体関連製品、グリーンエネルギー分野の需要を捕捉するための取り組みを強化します。

【成長分野別商品群】

CASE(自動車) e-Axle(減速機) 歯車用鋼材(高周速対応)
主機・補機・センサ(磁石) 主機モータ用NdFeB特殊配向磁石
センサ用NdFeBボンド磁石
補機用高耐食SmFeNボンド磁石(射出成型磁石)
電流センサ/ノイズ吸収 高機能軟磁性材料、軟磁性粉末
バッテリ リチウムイオン電池用負極材
半導体関連 半導体製造装置 高清浄度バルブ材料、低熱膨張ウエハー研磨用材料、ガスフィルター
薄膜形成/エッチング部材
グリーンエネルギー 水素関連 耐水素脆化用鋼(高温高圧環境)、水素燃焼バーナー
洋上風力 増速機用材料(高清浄度鋼)、耐海水用構造材料

CASE関連においては、高周速対応減速機用歯車など特殊鋼鋼材については、これまでの高品質歯車用鋼の製造技術に関する知見に加え、特殊表面処理技術を組み合わせることにより更に信頼性の高いソリューションを提供していきます。また、主機・補機・センサ用磁石については、中津川先進磁性材料開発センターの最大活用により主機モータ用特殊配向磁石に加え、特徴あるセンサ用および補機用ボンド磁石で新たな需要を捕捉していきます。
通信・情報分野で一層の急成長が期待される半導体関連につきましても、グループの幅広い高機能製品群でそのニーズを確実に捉えていきます。
グリーンエネルギー分野においては、高温・高圧水素環境下で耐え得る対水素脆化用鋼の開発、工業炉用水素バーナーの実用化、洋上風力については長期信頼性の要求される増速機について、高清浄度鋼及び高耐食材料でそのニーズに確実に応えていきます。
グリーンエネルギー分野、半導体関連製品においては、それぞれの新市場におけるニーズの探索および当社グループが保有するシーズを幅広く捉え、今後の製品戦略・拡販活動へ繋げていくため全社横断型ワーキンググループを設置します。

(2) 事業体質の強靭化(2020中期経営計画の深化)

外部環境変化への耐性強化、既存事業のプレゼンス拡大を図るため、営業サイドでは適正マージンの確保やポートフォリオ改革により高限利品を拡大していきます。生産サイドでは2023中期経営計画において生産量の再拡大も視野に入れ、2020中期経営計画に実行した戦略投資の補完として知多工場の製鋼部門を中心に生産上方弾力性改善投資を実行します。また長期的な内燃機関向け特殊鋼の需要減少への対応として工場間生産集約、生産性向上、歩留向上等の損益分岐点引き下げに寄与する諸施策を今中期より実行し、生産効率向上およびコスト削減を進めていきます。また生産体制についても、人員の最適配置・適正化、DX推進による省工数・省人化を図り、労働生産性の向上を目指します。

(3) 海外展開拡大

東アジア市場を中心に海外での高機能ステンレス鋼、高合金、工具鋼の売上拡大を目指します。当社は今年7月にティムケンスチール社の中国営業拠点の全持分取得を予定していますが、本件を契機に、ティムケンスチール社との協業関係を更に深化させ、中国市場向けのSBQ製品(Special Bar Quality)の更なる拡販および高合金や特殊ステンレス鋼の販売力強化に繋げていきます。
また、海外規格対応による欧米市場の開拓、インド市場ではSunflag社とのアライアンス活用など、各地域での販売強化に向けた取り組みを加速します。

(4) ESG経営の推進

持続可能な経営に向け、ESG経営を推進します。
環境の面では、2030年度でのCO2排出量を2013年度対比で50%の削減を目指します。当社は2050年でのカーボンニュートラル実現を目指し、「Daido Carbon Neutral Challenge」を策定しましたが、その過程である2030年においては、自社・既存省エネ技術の全面展開、CO2フリー電源への切り替えにより、CO2排出量削減を推進します。加えて、経団連と連携して脱炭素社会の構築に向けた「チャレンジ・ゼロ」のプロジェクト活動も推し進めることで、鉄鋼業界全体のCO2削減にチャレンジしていきます。
社会の面では、経済産業省および東京証券取引所が選定する「健康経営銘柄」に昨年度初めて認定されました。引き続き健康経営やダイバーシティの推進など、これまでの取り組みを深化させ、従業員を始めとした各ステークホルダーからの信頼性確保に努めていきます。
ガバナンス面では、今年度において買収防衛策の非継続を決議しました。今後、経営の自己規律性を更に高め、株主との対話強化を図っていきます。政策保有株式につきましては、今中期経営計画期間において政策保有株式の金額を純資産の20%以下まで縮減し、資本効率の向上に努めていきます。またグループ経営の強化、取締役会の体制見直しを図っていくことで、コーポレート・ガバナンス強化に繋げていきます。

2.経営指標

本計画で掲げた行動方針の遂行により、最終年度である2023年度において、以下指標の実現を目指します。

20年度実績 23中期目標
営業利益 101億円 400億円以上
自己資本利益率(ROE) 1.6% 8.0%
D/Eレシオ 0.66 0.5
投資 3年累計決裁ベース 796億円 850億円
鋼材売上数量(単体) 978千トン 1,200千トン
配当性向の考え 20~25% 30%目安

(参考)

1.2020中期経営計画の振り返り

2020中期経営計画では、「機能性に優れた素材で、お客様の技術革新を支える」 という経営基本方針に基づき、①ポートフォリオ改革②事業基盤の強化③事業の再構築を行動方針に掲げ、様々な施策に取り組んできました。
20年度に目標とした経営指標につきましては、新型コロナウイルスの影響により売上が大幅に減少し、また投資効果・改善効果の発現の遅れもあり達成することはできませんでしたが、掲げた各行動方針については成果を挙げることができました。

ポートフォリオ改革につきましては、特殊ステンレス鋼を始めとした戦略投資を計画通り完了させ、磁石事業についても、中津川先進磁性材料開発センターを開設し、開発体制の強化を図りました。これらの結果、目標とした機能材料・磁性材料の売上高トップセグメント化を達成しました。

事業基盤の強化では、ベース値上げによるマージン改善を図り、事業の再構築ではターボハウジング事業の健全化を図りました。一方、型鍛造事業の構造改革については継続課題として持ち越すことになり、また新型コロナウイルス感染症の影響により、投資した設備の効果が最大限発現できておらず、この点も今後の課題となりましたが、これらの取り組みについては21年度以降に効果が発揮される予定です。

2.2030年のありたい姿

世界規模での地球温暖化抑制への取り組みが本格化しており、CO2排出量削減を目的とした社会構造の転換が進展しております。当社の主要需要先である自動車産業においては電動化が加速し、内燃機関自動車は2020年代半ばにピークアウトすることが想定されます。また化石燃料からグリーンエネルギーへのシフトにより、洋上風力や水素が新たなエネルギー源として注目されています。またデジタル革命の加速により、情報通信などデジタル化を支える半導体産業は、今後も持続的な成長が見込まれます。
当社を取り巻く外部環境が目まぐるしく変化するなかでも、経営理念である「素材の可能性を追求し、人と社会を支え続ける」を実現するため、今回2030年のありたい姿として【高機能特殊鋼を極め、「グリーン社会の実現」に貢献する】を策定しております。
当社グループは、これまで機能性に優れた素材でお客様の技術革新を支えてまいりました。この方針に変更はありませんが、これからの外部環境変化に適応するため、事業の強靭化を進め、環境変化への耐性を強化するとともに、高機能特殊鋼を極めることにより新しい社会ニーズに応えることで、グリーン社会の実現に貢献していきます。

以上

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