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知多第2工場に新設したチタン用溶解設備の1基目が稼働開始
医療分野向け需要増を見据え、チタン生産能力を増強

大同特殊鋼株式会社(社長:清水 哲也)は、医療分野向けなどで需要の拡大が見込まれるチタン合金の生産能力を拡大するため、知多第2工場(愛知県知多市)にチタン用真空アーク再溶解炉(VAR)※1を2基新設します。このたび2025年10月に1基目が稼働(営業運転)を開始しました。2基目は2026年7月に稼働開始予定です。一連の投資総額は41億円で、この投資により、チタンの生産能力の現状比約20%増をめざします。

チタン合金は、軽さと強度を兼ね備え(比強度が高い)、優れた耐食性※2や生体適合性※3を持つため、航空機や医療分野といった産業用途に加え、めがねやゴルフクラブなどの民生品にも幅広く使用されています。特に医療分野においては、世界的な人口の増加と、高度医療におけるニーズの高まりにより、チタン合金の中長期的な需要拡大が見込まれています。
当社はこうした製造能力の増強とともに、海外における拡販活動等を推進することで、チタンの受注量を2030年には2018年対比およそ2倍にし、医療用チタン製品の世界シェアを現状の10%程度から2030年に20%とすることをめざしていきます。

稼働開始した知多第2工場のチタン用 VAR

用語説明

※1 真空アーク再溶解炉(VAR) 一次溶解(電気炉・真空誘導炉)で溶解・造塊した鋼塊を消耗電極として通電し、高真空下でアーク発熱させることで溶解する溶解炉。鋼中のガス成分を低減しながら、介在物を浮上促進させ除去することで、高い清浄度を実現できる。また、急速冷却により部位によるばらつきが少ない均質な組織を得ることができる。
※2 耐食性 材料が腐食環境下(例えば、化学薬品、酸、塩水 環境下)において、その物性を維持する性質
※3 生体適合性 長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず、本来の機能を果たしながら生体と共存できる材料の特性

以上