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積層造形用ワイヤの建設利用のための技術実証を開始
〜竹中工務店・シモダフランジとともにWAAM方式金属3Dプリンターの評価試験を実施〜

大同特殊鋼株式会社(社長:清水哲也)は、株式会社竹中工務店(社長:佐々木正人)、株式会社シモダフランジ(社長:下田信治)と共同で、積層造形用ワイヤを利用した金属3Dプリンターの建設分野での利用促進を目的とした技術実証プロジェクトを開始しました。

実施内容

本プロジェクトでは、WAAM 方式金属3Dプリンターの建設領域での利用を促進するため、以下の取り組みを実施しています。

*WAAM 方式:Wire Arc Additive Manufacturing の略称。アーク溶接技術を応用し、金属を溶着・積層していく金属3Dプリンティング手法

  1. 当社製溶接ワイヤ(二相ステンレス鋼 YS329J4L)を使用したWAAM造形屋外暴露試験体(スツール)による耐久性評価試験の実施
  2. 建設・インフラ産業から生じる使用済み金属廃材を積層造形用溶接ワイヤに再生する取り組みの試行

屋外暴露試験体による耐久性評価試験について

積層造形技術の検証および実利用の想定を目的として、デザイン性の高いスツールを屋外暴露試験体としてWAAM造形し、当社星崎工場(名古屋市南区)食堂棟の屋外に設置しました。金属3Dプリンターならではの複雑な造形と、当社の高強度・高耐食な二相ステンレス鋼溶接ワイヤによる優れた耐久性を実証しています。
(スツール形状設計・3Dモデリング:株式会社 XENCE(代表取締役:小澤 巧太郎))

屋外暴露試験体のデザインと設置状況

(a)YS329J4L

(b)YS308L

暴露試験体の外観(設置時)

(a)YS329J4L

(b)YS308L

暴露試験体の外観(7カ月経過時)
※YS329J4Lは変化なく、YS308Lでは錆による変色が見られた

金属廃材の溶接ワイヤへの再生について

当社は、建設・インフラ領域から生じる使用済みの金属廃材を積層造形用溶接ワイヤに再生し、WAAM方式金属3Dプリンターでアップサイクルさせる取り組みを行っています。


建設・インフラ領域の金属廃材を金属 3D プリント材料に再生

アップサイクルプロジェクト事例「ルーレベンチ」

金属廃材のアップサイクルの最初の事例として、鉄道の廃レールを金属3Dプリンターで駅ベンチに再生するプロジェクトに取り組み、完成した「ルーレベンチ」をJR大阪環状線 弁天町駅に設置しました。
このように、金属廃材の溶接ワイヤ再生技術を用いることで、お客様から提供いただいた使用済みの金属廃材を、お客様自身の事業で使う別用途の物品に生まれ変わらせることができます。金属 3D プリンターの自由な造形性と、当社のステンレス材の高い性能・耐久性を活かした「金属廃材アップサイクル」を実現します。

弁天町駅に設置された廃レール再生ワイヤを使用した「ルーレベンチ」

関連リリース(竹中工務店):
鉄道の廃レールをアップサイクルした金属3Dプリンター製ベンチを設置

https://www.takenaka.co.jp/news/2025/09/02/

各社の役割

大同特殊鋼: 積層造形用ワイヤの開発と提供、建設金属廃材の再生プロセスの確立
竹中工務店: 建設金属廃材アップサイクルソリューションの提案
シモダフランジ: WAAM方式3Dプリンターによる試験体造形、製造技術の確立

今後の展開

本プロジェクトで得られた知見を基に、建設業界をはじめ様々な産業分野において、金属3Dプリンター活用した「金属廃材アップサイクル」を推進し、循環型社会の実現に貢献してまいります。

SDGs への貢献

本取り組みは、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に寄与するものです。