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赤外・赤色の高出力点光源LED素子・SMDを開発
~協働ロボットや半導体製造装置等のセンシング性能向上に貢献~

大同特殊鋼株式会社(社長:清水哲也)は、世界最高レベルの光出力を有した赤外(発光波長940nm)・赤色(発光波長650nm)の高出力点光源LED素子※1を開発しました(図1)。本製品を使用することで、LEDを用いた光電センサによる位置検出精度が向上し、微小な対象物の有無判別や物体検出の長距離化・高精度化に寄与します。これにより今後の需要拡大が見込まれる光電センサや、協働ロボット※2の近接センサ・測距センサ、AGV/AMR※3等のLED-LiDAR※4の高精度化に貢献します。
また、お客様における実装の生産性向上のため、本点光源LED素子を透明樹脂で封止した表面実装部品(SMD)も併せて開発しました(図2)。赤外点光源LED素子・SMDは2026年4月からサンプル供給を開始し、赤色点光源LED素子・SMDについては同月から販売を開始します。

図1 点光源LED素子外観

図2 SMD外観

表1 高出力点光源LED素子・SMD

ピーク発光波長 赤外(940nm) 赤色(650nm)
製品形態 LED素子 SMD LED素子 SMD
型式 MED9P2 MED9P2-SMF-5 MED7P25 MED7P25-SMF-5
LED素子
発光窓経(μm)
Φ150 Φ170
サイズ(mm)
幅×奥行×高さ
0.36×0.28×0.15 1.6×0.8×0.7 0.365×0.265×0.15 1.6×0.8×0.7

1.背景

近年、ものづくりの現場では人手不足を背景に、人と同じ空間で安全に作業ができる協働ロボットやAGV/AMRの普及が進んでいます。それに伴い、作業者の安全確保やロボット、AGV/AMRの衝突回避のために高精度なセンシングが求められています。これらのセンシングには距離検出用の光電センサが広く用いられており、この光電センサは、投光した光を物体に当てて、跳ね返ってきた光がセンサのどこに届くかによって距離を測ります。物体までの距離が変わると、戻ってくる光の当たる位置も変わるため、その位置から距離を判断します。このため、光の広がりを抑えた小さな光スポットを形成できる点光源LEDは、光電センサにおける距離検出精度および位置検出精度を高めるうえで重要な光源として位置付けられています。(図3)。

光が広がらずに高精度で検出可能

光が広がり検出制度が低下

図3 点光源LEDと面発光LEDの比較

協働ロボットに使われる衝突防止用光電センサでは、周囲の作業者にまぶしさを与えない不可視光である赤外光(発光波長940nm)が主に利用されています。長距離での検出や外乱光(太陽光や照明)による誤検出の防止、さらに透明体や低反射物体を安定して検出するためには、LED素子・SMDの高出力化が不可欠です。
また、半導体製造装置に用いられる光電センサでは、ウェハの位置決めやアライメントといった高精度な位置検出を目的に、光軸合わせやセンサ設置時の調整が容易な赤色光(発光波長650nm)が広く採用されています。ウェハ端部のような微小対象物を安定して検出するためには、こちらもより高出力な光源が必要とされてきました。
こうしたニーズに対応し、当社は世界に先駆けて発光波長940nmの高出力点光源LED素子・SMDを開発しました。また、発光波長650nmについても高出力点光源LED素子・SMDを新たにラインナップに加えました(表1)。

2.特長

1)高出力赤外点光源LED素子 MED9P2は、当社現行品MED8P54(発光波長855nm、発光窓径Φ160μm)比で約3倍の光出力を実現(図4)。
2)高出力赤色点光源LED素子 MED7P25は、当社現行品MED7P14C(発光波長650nm、発光窓径Φ160μm)比で約1.5倍の光出力を実現(図5)。
3) SMDは、本高出力点光源LED素子を小型パッケージ(JIS規格1608M:幅1.6mm、奥行0.8mm、高さ0.7mm)に搭載することで、狭小スペースへの実装性とデバイス設計の自由度を高めることが可能となります。

図4 赤外LED(MED9P2)の電流-光出力特性

図5 赤色LED(MED7P25)の電流-光出力特性

3.用途

最終アプリケーション   :協働ロボット、AGV/AMR、半導体製造装置 等
LED搭載アプリケーション:光電センサ、測距センサ、LED-LiDAR 等

以上

用語説明

※1 点光源LED LEDの上面が全面発光する面発光LEDとは異なり、点状の発光窓を持つLED。また、面発光LEDは素子の中央部にボンディングパッドがあり、その部分に影が生じるが、点光源LEDは発光窓と電極パッドが離れており、影が生じない。
※2 協働ロボット 人と同じ空間で安全に作業ができる産業用ロボット。従来の産業用ロボットは安全柵で囲われたエリアで稼働するのに対し、協働ロボットは人との接触を検知して停止する安全機能を備えており、同じ作業空間で協力して働くことが可能。そのため、より繊細な制御が求められる。
※3 AGV/AMR AGV(Automated Guided Vehicle)とは、あらかじめ決められたルートに沿って自動で荷物を運ぶ搬送ロボット。工場や倉庫での省人化・安全性向上のために広く使われている。また、AMR(Autonomous Mobile Robot)とは、周囲をセンサで認識し“自分で最適ルートを判断して走行する”自律型の搬送ロボット。工場や物流センターでも人とロボットが混在する環境での省人化ニーズから導入が急増している。
※4 LED-LiDAR LED-LiDAR(LED-Light Detection and Ranging)とは、LEDを光源として、物体からの反射光が戻るまでの時間を測定することで距離を算出する距離センサ。