大同特殊鋼株式会社(本社:名古屋市東区、社長:石黒 武、以下、大同特殊鋼)の完全子会社である株式会社ダイドー電子(本社:岐阜県中津川市、社長:天野 肇、以下、ダイドー電子)は、このたび経済産業省が認定する「新グローバルニッチトップ企業100選(新GNT企業100選)」に選定されました。
「新GNT企業100選」は、2013年度に経済産業省がニッチ分野で高いシェアを確保している企業を選定した「グローバルニッチトップ(GNT)企業100選」に続く認定・顕彰政策の第2弾であり、近年の環境変化、具体的には①デジタル経済の進展、②世界の政治経済情勢の変動、③少子高齢化のような社会構造の変化、などを踏まえ、新たな厳しい経済環境のなかニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢が変化する中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材などの事業を有する企業などを選定するものです。
ダイドー電子は「素材・化学部門」の企業24社のひとつとして「新GNT企業100選」に選ばれました。選定理由は、同社が製造する「重希土類完全フリーのネオジム磁石」が戦略性、競争優位性、収益性、国際性の評価項目で総合的に高評価だったからです。
現在、自動車の自動化・電動化など「CASE」と呼ばれる動きが急速に進行するなか、高性能な駆動用モータが必要とされており、多くのモータで世界最強の磁力を持つネオジム磁石が使用されています。高温環境下で使用されるネオジム磁石には高い耐熱性が要求され、その耐熱性を確保するため、従来は、重希土類元素を磁石に添加していました。しかし、重希土類元素は有力鉱床が特定地域に偏る希少金属(レアメタル)であり、近年は、安定調達や調達コストが課題となっていました。また、重希土類元素は採掘時の環境負荷が大きく、持続可能な開発目標「SDGs」の観点からは、一切使用しない、高効率に有効活用する、リサイクルする、代替資源・代替技術を開発する、などの戦略的取り組みが社会的に求められていました。
こうした重希土類を一切含まない(=完全フリーな)、高耐熱性と高磁力を兼ね備えたネオジム磁石を、ダイドー電子は2016年以来、大同特殊鋼や自動車メーカーとともに、ハイブリッド車用駆動モータに適用し、実用化を進めてきました。
重希土類完全フリーのネオジム磁石、ならびにそれを組み込んだ高性能駆動用モータは、今後、電気自動車を含め、多くの分野での利活用が期待されており、このような期待に応えるため、大同特殊鋼は本年5月25日、磁石の研究開発および次世代モータをはじめとする磁性材料応用製品の研究開発に取り組む拠点として、中津川先進磁性材料開発センター(岐阜県中津川市)を開所しております。
大同特殊鋼グループは、今後も素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます。
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