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当社渋川工場における機械構造用合金鋼鋼材のJIS認証一時停止について

このたび大同特殊鋼株式会社の渋川工場で製造した一部製品において、JIS認証範囲に含まれていないにもかかわらず、誤ってJISマークを表示して出荷していたことが判明しました。認証機関である日本検査キューエイ株式会社から、下記の通りJISマーク表示認証の一時停止の連絡を受けましたのでお知らせします。

1.対象となる認証事業所

大同特殊鋼株式会社 渋川工場

2.一時停止の対象となるJISの番号及び名称

JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材

3.認証の一時停止期間

2023年8月29日~2023年11月28日

4.違反の内容

(1)内容

  • 渋川工場から出荷した注)機械構造用合金鋼鋼材の一つであるアルミニウムクロムモリブデン鋼SACM645について、日本検査キューエイ株式会社(JICQA)から認証されているJIS G4053機械構造用合金鋼鋼材の認証範囲外であったにもかかわらず、JISマークを表示して出荷した。

    注)知多工場と星崎工場はSACM645を認証範囲としており、この2工場から出荷したSACM645は問題ありません。

(2)期間

2013年12月~2023年8月

(3)対象量

824t

5.発見の経緯

  • 2023年8月、渋川工場におけるJIS G 4053の第5回認証維持審査において、SACM645を含めた鋼種で製品試験を受審しようとしたところ、審査機関である日本検査キューエイ株式会社(JICQA)よりSACM645は認証範囲外と指摘され、JIS違反が判明した。

6.発生までの経緯

2008年 9月 渋川工場にてJIS G 4053の新JISマーク認証取得(クロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼の27鋼種について認証を取得)
2008年 11月 JIS G 4053:2008改正で、JIS G 4053にJIS G 4202アルミニウムクロムモリブデン鋼鋼材が統合された。この結果、アルミニウムクロムモリブデン鋼SACM645は、JIS G 4053の認証対象の範囲に含まれることになった。
2009年 5月 JIS G 4053:2008改正による臨時認証審査において、当時渋川工場では、JIS G 4202(対象鋼種SACM645)の認証を要求されている製品がなかったため、SACM645をJIS G 4053認証範囲に含めないこととした。
2013年 11月 顧客より新規に受注したSACM645へのJISマーク表示要求があったため、品質仕様書を改訂し、JISマークを表示するよう設計変更した。製品出荷は2013年12月から開始した。

7.原因

  • 渋川工場が認証されているJIS G 4053の認証範囲にSACM645は含まれていなかったが、顧客から当該鋼種にJISマーク表示の要求があった際、SACM645も認証範囲に含まれているとの誤認識によりJISマークを表示していた。

8.再発防止策

  • JIS認証範囲を、知多工場や星崎工場と同様に、鋼種単位で判定するシステムを構築する。
  • JISマーク表示可否を確認する手順を明確にし、教育を徹底する。

9.製品品質への影響

  • 当該製品については、品質を示す数値がJIS規格を満たしていることを確認して出荷しており、品質上は問題ありません。

10.他のJIS認証対象について

  • 当社では、渋川工場が認証されていたJIS G 4053の他、下記対象のJIS規格において認証を受けておりますが、問題が無いことを確認しております。
事業所名 JISの番号及び名称
知多工場 JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4052 焼入れ性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)
JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材
星崎工場 JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4052 焼入れ性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)
JIS G 4053機械構造用合金鋼鋼材
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4308 ステンレス鋼線材
渋川工場 JIS G 4303 ステンレス鋼棒

以 上