鉄に添加する炭素以外の元素の種類や量に応じて、熱に対する強さ、硬さ、強靭さ、
さびにくさ、摩擦・摩耗への強さ、加工しやすさなど、その特殊な性質は決まります。
熱に強い特殊鋼

高温でも摩耗しにくくなります

航空機のエンジンなどで活躍
硬い特殊鋼

摩耗に強く、変形しにくい

切削工具や金属、プラスチックを
成形する際に欠かせない金型に
強い特殊鋼

繰り返される引っ張り、圧縮、回転、
往復運動などの力に長く持ちこたえる

材料の強度を高めることで、
自動車や機械の軽量化、長寿命化に寄与
さびにくい特殊鋼

優れた耐食性を発揮

腐食しやすい環境で長寿命
加工しやすい特殊鋼

切削加工に適した、削りやすさを高めた材料

精密な加工を可能とし、仕上げ精度が向上
磁性のある特殊鋼

磁石につく

磁気的な性質を利用し、
モーターや記録装置に用いられます
磁性を抑える特殊鋼

磁石につかない

強い磁場を用いる環境で、
磁化されてはならない機器に用いられます。
しなやかな特殊鋼

柔軟で弾力に富み、よくしなる

曲げに強く、力が加わっても元に戻りやすい
添加する主な元素のはたらき
- マンガン
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強さ、硬さが増す
- ニッケル
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粘り、強さが増し、熱に強くなる
- クロム
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さびにくくなり、摩耗に強くなる
- モリブデン
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高温での強さ、硬さが増す
- バナジウム
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高温での強さ、硬さが増す。特に摩耗に強くなる
- チタン
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表面を硬くし、さびにくくなる
- ビスマス
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削りやすさが増す
- タングステン
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高温での強さ、硬さが増す