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高信頼性のメタルメッシュ黒化膜用ターゲット材「STARMESH®-β1」を発売
~大型タッチパネルの長寿命化を実現~

大同特殊鋼株式会社(社長:石黒武)は、優れた低反射率と耐久性を併せ持つ、メタルメッシュ*1黒化膜*2用ターゲット材*3を新たに開発し、「STARMESH® (スターメッシュ)」シリーズに、高信頼性モデル「β1(ベータワン)」として加え、4月に販売を開始しました。
本製品を用いて、スパッタリング法で成膜した黒化膜は、銅(Cu)の導電膜の反射率を10~20%に抑えることが可能です。また、この黒化膜は車載向け電子部品を想定した環境試験(温度85℃、湿度85%、1000時間)で、導電性や色の変化*4がないことを確認しています。そのため従来の黒化膜の銅酸化物(CuO)と比べ、厳しい環境での使用や、適用製品の長寿命化が実現できます。
また、本製品はインジウムなどの希少金属を使用しない金属ターゲットであるため、タッチパネルの透明導電膜に使用されるセラミックス系のITO(酸化インジウムスズ)*5と比べて低コストでの生産が可能です。さらに当社の特殊溶解技術により、使用後のターゲット材も容易にリサイクルが可能なため、サステナブルな社会に貢献します。
当社はメタルメッシュ用ターゲット材を、今後の需要拡大が見込まれる、車載用タッチパネルや電子黒板などの大型タッチパネルの分野での拡大を目指します。

STARMESH®-β1
STARMESH®-β1

1.背景

スマートフォン等のタッチパネルの透明電極には一般的にセラミックス系のITOが使用されています。ITOは透明かつ導電性のある材料ですが、導電性は銅などの金属に劣ります。そのため大画面のタッチパネルのセンサー電極に、導電性の劣るITOを用いると、検出精度が保てなくなる課題があります。
さらにITOは曲げに弱いため、曲面形状や、折りたたみ式のタッチパネルには向きません。デザインや機能性の要求が高まる次世代の自動車のコックピットには、導電性に優れ、曲げに強いタッチパネルが求められています。
そこでITO電極に代わり、メタルメッシュ電極の普及が進んでいます。メタルメッシュ電極に主に用いられる銅の導電膜は金属光沢で、外光を反射し、ぎらぎら光るため視認性が悪く、金属導電膜の上に黒化膜を重ねて反射を抑制する必要があります。
さらに電子黒板などの大型表示装置や、大画面化が進む車載用タッチパネルは、スマートフォンに比べて、買い替え期間や耐用年数が長いため、より長寿命が要求されます。しかしながら従来の銅酸化物の黒化膜には、長期間過酷な環境にさらされると、変色する課題があります。変色するとタッチパネルの視認性が悪化するため、より信頼性の高い黒化膜が求められています。

2.特長

  • 低反射率:銅(Cu)の導電膜の反射率を10~20%に抑制できる黒化膜を成膜可能
  • 優れた信頼性:黒化膜は環境試験後(温度85℃、湿度85%、1000時間)も変色なし、導電性変化なし
  • 希少金属を使わずリサイクル容易な金属ターゲット材
  • ITOと同じプロセス(スパッタリング法)で成膜可能
STARMESH-β1の低反射効果

従来材との信頼性の違い

ターゲット材の使用方法(スパッタリング法)

用途例:タッチパネルのメタルメッシュ電極

STARMESH-β1の低反射効果

従来材との信頼性の違い

ターゲット材の使用方法(スパッタリング法)

用途例:タッチパネルのメタルメッシュ電極

3.用途

タッチパネル用途:大型タッチパネル、曲面タッチパネル
その他の用途:5G用透明アンテナ、5G用透明ノイズシールド、光学センサー用透明ヒーター等

4.用語説明

*1 メタルメッシュ
タッチパネルの入力検出などに用いる透明導電薄膜を、従来のITOから数マイクロメートル幅の網目状の金属に置き換える技術
*2 黒化膜
導電膜の上に重ねることで可視光反射率を低下させる薄い膜
*3 ターゲット材
対象とする電子基板に原子レベルで金属や合金、金属酸化物等などの物質を付着させ、薄い膜を形成するスパッタリング法に用いられる電子部材
*4 色の変化
環境試験前後のL*a*b*色空間から算出した色差(ΔE*ab)を比較した。試験前を0とし、値が少ないほど色の変化がない。
*5 ITO
透明導電膜、酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム)(Indium Tin Oxide)の略称

STARMESHは大同特殊鋼株式会社の登録商標です。

以上

お問い合わせ先

大同特殊鋼株式会社
電子部材製品部企画管理室 熱田
TEL 052-308-4992

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