
2024年3月期第2四半期の経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用情勢や企業収益が改善する中で、個人消費、設備投資の持ち直しを受け、緩やかに回復してまいりました。一方で世界経済は、世界的なインフレ圧力が残存し、各国中央銀行による利上げの影響が続く中、回復ペースが鈍化しております。中国においてもサービス消費が底堅いものの、不動産市場の調整の影響もあり、持ち直しのペースは鈍化しております。また、不安定な国際情勢の中、原燃料市況の高止まりや世界的な物価上昇、急激な為替変動など、景気の下振れリスクを内包した経営環境が継続しております。
このような状況の中、特殊鋼の主要需要先である自動車関連の受注は、半導体を中心とした部品の供給不足が緩和されてきたことなどにより、構造用鋼を中心に前年同期比で増加したものの、産業機械関連の需要は弱含んで推移しました。ステンレス鋼などにおいては、サプライチェーンにおける在庫調整が継続しており、前年同期比で減少しました。また、半導体関連は、シリコンサイクルの下降局面において受注が減少しました。なお、自由鍛造品については、エネルギー関連、航空機関連で需要が増加にしたことにより、受注は引き続き高位で推移しました。主要原材料である鉄屑価格は、国際市況の影響を受け弱含んで推移しましたが、依然、価格水準としては高位で推移しました。また、ニッケルなどの各種合金類は、前期においてウクライナ情勢による供給制約懸念を受けて高騰したこともあり、前年を下回って推移しました。また、原油・LNG市況の高騰に伴い、電力などのエネルギーコストは高位を継続しました。これらのコスト増大に対し、適正マージン確保のため、徹底したコスト削減および販売価格への反映に継続して取り組みました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の連結経営成績は、売上高は前年同期比67億36百万円増収の2,885億94百万円となりました。利益面に関しては、ステンレス鋼の売上数量減少により、営業利益は前期比42億21百万円減益の190億3百万円、経常利益は前年同期比30億9百万円減益の210億83百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比68億28百万円減益の114億65百万円となりました。