スクラップ溶解の不均一性を解消
電力量原単位の削減に大きく寄与
シャフト式スクラップ予熱装置「MSP(多段式)/SSP(単段式)」は、、電気炉からの高温排ガスを利用することで、スクラップを高効率で予熱し、エネルギーロスの低減、熱効率の向上を図ります。スクラップ予熱で得られるエネルギーは電力や他のエネルギーより安価なため、エネルギー原単位低減を実現。
電気炉およびその上部にスクラップ保持用のフィンガーを備えた台車移動式の予熱室を配置し、スクラップを高温かつ高効率に予熱、予熱後のスクラップを予熱室ごと電気炉中心まで移動させ、フィンガーを下降させることでスクラップを炉中心に投入。そうすることで溶解期にアークをスクラップで包み込みながら溶解させるプロセスが成立し、溶解効率の向上と炉体熱損失を低減させることができます。
MSP、SSPは大同特殊鋼株式会社の登録商標です。
用途
製鋼用電気炉を対象とし、スクラップを予熱する
特長
排ガス保有熱を適正なスクラップ予熱で回収
- 予熱スクラップの過酸化防止
- 排ガス量を調整することで溶着トラブルの回避
使用スクラップの制限が少ない
- スクラップコストアップの回避
電力エネルギーレベルの最大使用が可能
- 溶解期は予熱スクラップでアークを包囲
- 予熱槽を移動して炉中央にスクラップ装入
環境規制を確保した安定した集塵系の運転
- 予熱槽内での排ガス中のCOガスの顕熱化
- アフターバーナー方式による脱臭
- ダイオキシンの再合成が少ない
SSP(単段式)採用によるメリット
予熱有効容積の拡大(スクラップを保持可能な空間の拡張)
低廉スクラップの使用拡大
装入移動回数の削減
止電時間の低減
設備のシンプル化(部品点数)
メンテナンスコストの削減
構造

MSP(多段式)
- 予熱スクラップ原料:制約が少ない
→予熱制御(バイパスダクト) - 移動式:電気炉中央へスクラップを装入
→高い溶解効率と炉体熱損失低減 - 予熱式:スクラップを高温かつ効率的に予熱
→高熱に耐え得るフィンガー - 広い燃焼空間:COを異常燃焼させない
→安全性が高い